[注意]
この記事は執筆者であるおーてぃんの私的な考察に基づいています。
客観的になるように勉めていますが、その点ご了承ください。
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おーてぃんと申します。
このような記事を閲覧していただきありがとうございます。
私は、中学2年生からアーケード音楽ゲームを本格的に始め、数えるともう十数年アーケード音楽ゲームをプレイしてきました。
アーケード音楽ゲームは私が最も時間とお金をかけてきた趣味です。
それだけでなく、アーケード音楽ゲームは様々な交友関係や生活習慣などを形成してくれました。感謝してもしきれない存在です。
しかし、直近のアーケード音楽ゲームを取り巻く環境は非常に厳しいものです。したがって、そこから導かれる未来というのもかなり雲行きが怪しくなっています。
ただ、私としては、なるべく長く続いてほしいわけで、そのためにどうすれば良いかを考えてみました。その提案には、現状の把握が重要です。
まずは、現状を整理してみようと思います。
アーケード音楽ゲームは、時代の進み、そしてそこからなるニーズや環境、嗜好の変化に晒されて時代遅れになってきています。アーケード音楽ゲームは他のエンターテインメントなどと同様のラインで人間の金銭と時間、体力・気力を奪い合っています。そんな中でわざわざゲームセンターに行って音楽ゲームをすることの貴重さ・楽しさよりも大変さの方が勝ってきています。つまりは、新規の趣味としても、継続する趣味としてもアーケード音楽ゲームは選択されにくくなり続けています。
そもそも音楽ゲーム自体がアーケードである必要性が全くなくなってきています。家庭用ゲームやその性能では行えないような斬新かつ画期的なゲーム体験というのは、時代の進歩に基づき、大きくはスマートフォンの発達と一緒にその独自性が失われています。
そして、アーケード音楽ゲームへの入り口も少なくなっています。例えば、家族や友達と一緒に様々なお店へ行き、その中にゲームセンターが混じっていて、そこで遊んでみて面白かった、友達がやっていたので誘われて一緒にプレイしたら楽しかった、などから入った人も沢山いるでしょう。しかし、現在はそのゲームセンターの絶対的な量が不足しています。それをよく示している記事があったので紹介します。
「街のゲーセン」が姿を消している。アミューズメント施設「ゲームセンター」の倒産や休廃業などが、2023年度には計18件発生した。前年度(15件)に続いて2年連続で増加したほか、過去5年間で最多を更新した。ゲームセンターの店舗数は10年間で8000店近く減少するなど右肩下がりで推移、直近5年間では3割減となるなど、淘汰の波が押し寄せている。 日本アミューズメント産業協会によれば、2021年度のオペレーション売上高は前年度比1割増の4492億円と、来店客数の大幅減に直面したコロナ禍の影響から脱しつつある。ただ、近年はクレーンゲームが主流となり、アーケード機を主流とする従来の店舗レイアウトでは集客力の維持が難しい局面を迎えている。また、消費税増税や硬貨の両替手数料、電気料金の引き上げなど、運営コストの増加も無視できなくなってきた。帝国データバンクの財務データを基にゲームセンター運営企業の収益力を分析したところ、本業の儲けを示す営業利益は、売上 100円あたり平均で6 円にとどまった。ゲーム筐体の価格に加え、クレーンゲームでは景品価格も上昇するなど経営環境は厳しく、収益力に乏しい中小規模のゲームセンターで淘汰が進んだ要因となっている。足元では、老舗ゲームセンターの廃業増と対照的に、ショッピングモール内などに展開する大型チェーン店がファミリー需要を獲得し、出店規模を拡大させている。昭和・平成の若者文化を支えてきた、従来型の「街のゲーセン」運営に試練が訪れている。
(帝国データバンク「「ゲームセンター」倒産・廃業、2年連続増
100 円売上で利益「6円」 コスト増で利益少なく」より)
引用された記事のように、小さなゲームセンターの生き残りはますます難しくなっていきます。いわゆるコロナ禍でさらに追い打ちが与えられたというのが私の主な考えです。
特にアーケード音楽ゲームに限って言うと、ここ数年で新規稼働した機種の中で、2026年の現在もある程度は順調だといえるのは「オンゲキ」「ノスタルジア」「ポラリスコード」くらいしかありません。そもそもこれらの機種を「順調」と表現するのも十年前の基準からすると厳しいと考えています。
新規での音楽ゲームに期待して頑張って入れても、あまり客数は多くなく、稼働率が低くなり、売り上げも芳しくならず、電気代のみが吸い取られていき、ついには稼働停止/サービス終了となる、といった悪循環のパターンになります。
では既存の機種はどうなのかというと、「新規バージョンの筐体を入れて刷新を測る」という「勝負」に出ています。しかし、この「勝負」は店側にとっては諸刃の剣です。そもそも「beatmania IIDX」のLightning Model、「チュウニズム」のゴールドタイプなどは十年前とは比較にならないほどの高額な購入費用がかかります。しかも、新規バージョンの筐体を入れると従来のものは「旧筐体」となり、いくらその音楽ゲーム自体が安定していても「旧筐体である」という理由だけで敬遠され、客足は遠のきます。
そうして買えなくなったところは、売り上げが少なくなり、新たなアップデートや新規筐体などの購入・更新なども行えなくなり、そうしていくうちに撤退・閉店を余儀なくされます。
また、何とか生き残ろうとするゲームセンターは、設置対効果・売上の高く、分かりやすいクレーンゲームへと舵を切ることになりますが、これは当然の帰結で、ほとんどのゲームセンターは慈善事業ではなく経営なのですから、そのようになってしまうことは仕方のないことです。しかし、逆を返せば、ただでさえ減っている生き残りゲームセンターの内部で、音楽ゲームをある程度以上設置している店数というのは非常に減少しています。筐体を見ることも少なくなるでしょう。
そうすると、ゲームセンターに行く機会や友人にアーケード音楽ゲームを誘われること自体の機会が急激に減少していきます。それが導くのは、新規プレイヤーの減少です。
既存プレイヤーは金銭や時間を多量に費やしてプレイし続けようとしますが、時間や体力は有限ではありません。また、生活習慣やまわりの環境・人間関係・仕事などの変化により、音楽ゲームをやめてしまう人もいます。
現状では、ほとんどの機種では新規プレイヤーの増加よりもはるかに多くの既存プレイヤーの減少が起こっています。音楽ゲームを長続きさせるには、新規プレイヤーの増加は欠かせません。新規プレイヤーのいなくなったアーケード音楽ゲーム機種に待ち受けるのは、ただの緩やかな死です(それでも良いという運営方針としてもそれは現状理解できますが…)。
結局、音楽ゲームを維持し続けることのできるゲームセンターというのは、金銭的な体力があり、ノウハウがある、大手のゲームセンターおよびその系列店しか残りません。そして、その大手ゲームセンターが撤退し始めたときが、真のアーケード音楽ゲームおよびその文化の終焉、そのはじまりを意味します。その始まりというのは、そう遠い未来ではありません。
同様のことはアーケード音楽ゲームを開発するゲーム会社にも言えます。国内でアーケード音楽ゲームを今後も展開し続けられる企業は非常に少なく、過言かもしれないですがほぼ大手3社(バンダイナムコ、セガ、コナミ)に限られます。その3社は、同じ音楽ゲームでもスマホや家庭用音楽ゲームと人間という名前のパイを取り合い、それまた映画、動画サイト、スポーツおよびその観戦、本・マンガ、他のジャンルのゲーム、音楽鑑賞…などなど、それ以外の趣味関連の事柄と人間という名前のパイを取り合います。そんな中生き残れる筋合いなどどこにもありません。
それでも大手3社はなんとかアーケード音楽ゲームを存続させようと様々な方策に打って出ています。方策は大きく分けて三本柱です。「新規プレイヤーの獲得」「既存プレイヤーの持続」「アーケード音楽ゲーム関連の環境の整備・維持」です。
「新規プレイヤーの獲得」を行うには、他の趣味から人間を流入させるしかありません。もう、余暇時間を何にも使わない完全無趣味の人間など、このインターネットで繋がった高度化したデジタル社会ではほぼ存在しません。
ではどのような趣味がアーケード音楽ゲームの世界に入ってきてくれやすいのか。それは現状では、漫画・アニメ・ゲーム・動画サイトに代表される「サブカルチャー」であると言わざるを得ません。この「サブカルチャー」は、サブとついているにもかかわらず、それを趣味とする人間の多さは非常に凄まじいものになっています。アニメ映画が実写邦画などよりも圧倒的に売り上げが良く、サブカルチャー関連のものがXやInstagramなどのSNSで「バズ」りやすいこの世界では、サブカルチャーの人々に訴えかけ、音楽ゲームへ、アーケード音楽ゲームへと誘導していく必要があります。
ただ、実は、漫画・アニメ・ゲームというところはずいぶんと前から新規獲得へ様々な曲・コラボイベントなどが様々なアーケード音楽ゲーム機種で行われてきました。全くしてこなかったのはほぼ「beatmania IIDX」だけと言っても良いと思います。その「beatmania IIDX」シリーズも最近ではサブカルチャー関連曲を沢山入れています。その最たるものがVOCALOID(VOICELOID等含む)および東方project関連のものです。昔はこれらの楽曲が音楽ゲームに入るだけで「なに物珍しい変なものを入れているんだ」という声が既存プレイヤーから発せられていましたが、現在ではほぼ受け入れられているように思います(もしくはそのような不満を持つプレイヤーは音楽ゲームをやめたかもしれません)。VOCALOID楽曲や東方project(アレンジ)楽曲がアーケード音楽ゲームに入るのはもはや一般的で普遍的な事であり、今それに文句を言ってくる人はほぼ居ません。
ただ、時は2026年、VOCALOIDや東方projectをはじめとした新規獲得と言うのは続けられてはいるものの、一時と比べると請求項に欠けだしています。しかも、そもそもプロジェクトセカイや東方ダンマクカグラなどのそれぞれに特化した音楽ゲームも存在する今、アーケード音楽ゲームにわざわざ行く理由と言うのもとても減っています。
では、どうするか。そこで出てくるのが、「動画サイト由来」、つまり「配信者関連」となります。しかも、ゲームを実況したりプレイする配信者・動画投稿者が必要となります。しかし、主要なゲーム実況者はただスマホやPCでプレイ出来る音楽ゲームに比べて、実際にゲームセンターなどに行かなければならないアーケード音楽ゲームの案件を行うことは非常に難しくなります。
そうなると、結局一番の手法は「VTuber」、しかもその多くは「オリジナルでの楽曲を所持しているVTuber」に限られます。そういった所からは、案件としての宣伝だけではなく、楽曲収録、キャラクター画像やモデルなどの利用、コラボイベントによる販促など、非常に多方面かつ多彩な恩恵を受けられます。
しかし、これにも問題があります。「VTuberによる楽曲」というのは、VOCALOIDや東方アレンジ楽曲、あとはアニメソングなどと比較すると市民権を得られていないものになります(最近ようやく改善されてきましたが)。それ自体不快なものとして毛嫌いする人だって既存プレイヤーの中にも一定数いるでしょう。文句も出るでしょう。
ただ、既存プレイヤーとしては、「新規プレイヤーを増やすため」という大義名分を納得できずとも我慢するしかないと考えます。新規プレイヤーを増やすことが、自分が好きな音楽ゲームの寿命を延ばすと信じるしかないのです。そういった意味合いでは、新しいものを否定しないで許容できるかという「ゆとり」が既存プレイヤーには求められていくと思います。
次に「既存プレイヤーの持続」という意味ですが、これはアーケード音楽ゲームとしては至極単純なことで、「アップデートを続ける」ということになります。曲の追加、要素の追加、イラストの追加、システム面の向上…。そういったプレイするモチベーションと真新しさを保つことが最も重要です。というよりは、アップデートの頻度が落ちると、続けてプレイするための目的確保がしにくくなります。また、スタッフ側のゲーム開発に疑いを向けるという事にもつながってしまいます。「既存プレイヤー」が音楽ゲームをやめる原因の一部にはそういった「現在の運営・開発メンバーへの不信・不満」も含まれるでしょう。
もう一つは「芯は維持する」ということです。真新しいことを求めすぎて、あまりにこれまでとかけ離れていたり、変更を加えすぎると、今まで自分が愛してきた、時間をかけてきた音楽ゲームが別物になってしまったと嘆き、既存プレイヤーは意気消沈して辞めてしまいます。それがきっかけでプレイヤーの数が大きく減った例もまあまああるでしょう。その際たるものは、判定・スコアルールの変更により全てのスコアが抹消され、そもそも譜面の作り直しが発生したことで工数が足りなくなり大幅に収録曲の減少した「REFLEC BEAT 悠久のリフレシア」でしょう(私もほぼ休止状態になってしまいました)。
また、「公式大会(KAC、BPL、KoPなど)」などによる盛り上がりも既存プレイヤーのモチベーション向上に大きな好影響を齎しています。今後も持続していくべきでしょう。
最後に、「アーケード音楽ゲーム関連の環境の整備・維持」ですが、これは「音楽ゲーム会社同士の繋がり」と「音楽ゲーム会社とゲームセンターの繋がり」になります。
「音楽ゲーム会社同士の繋がり」については、昔は例えば音楽ゲームを含むアーケードゲームのイベントとして「JAEPO」や音楽ゲームとしては「天下一音ゲ祭」などの繋がりがありました。「JAEPO」は現在「アミューズメントエキスポ」として発展的進化を遂げており、数年前まではほぼありえないことだった各音楽ゲーム開発会社のスタッフなどが集まった音楽イベント「AMUSUMENT MUSIC FES」が行われるなど、会社通しの繋がりを非常に大きくアピールしており、また、会社をまたいだ楽曲などの移植などもよりカジュアルに行われるようになっています。
「音楽ゲーム会社とゲームセンターの繋がり」については、音楽ゲーム会社はゲームセンターと基本的には以前よりはまだ協力的になっていると思われます。ただ、結局その大部分のリソースは大手ゲームセンターに割かれていて、中小のゲームセンターには大きな向かい風が吹いていると言わざるを得ません。
ただ、大手ゲームセンターが最新の音楽ゲーム筐体などを維持するという面ではまだ何とか出来ていて、特にKONAMIは、BPL(BEMANI PRO LEAGUE)で大手ゲームセンター運営会社をチームとして迎え入れる形で相互協力関係を築いています。
しかし、結局はゲームセンターの減少を遅らせるだけでしょう。
結局、アーケード音楽ゲームの未来はどうしても暗くはなってしまうとは思います。
アーケード音楽ゲームをなるべく「持続」させるという意味合いでは、まだまだ保つと考えられます。それには、時代に合わせて変化することと、既存の芯を維持することの両立という実現の難しいチャレンジをやめないことが重要です。
それでも、アーケード音楽ゲームの成長を望むのであれば、完全に新規のアーケード音楽ゲームを出し、それを成功させるしかありません。しかし、そのような素地が大手3社をはじめとしたゲーム開発会社に残っているとは思えません。私は、「ポラリスコード」「オンゲキ」「WACCA」が挑戦はしたものの既存の音楽ゲームに勝てなかったのを見てきました。もちろんコロナ関係に大きく引っかかってしまったという運の悪さはありますが、それでも本当の意味でのアーケード音楽ゲームの刷新というのは、もはや不可能と考えるしかないと思います。であれば、やはり今あるアーケード音楽ゲームをなるべく持続させる選択肢しかないのだと思います。
あとは、プレイヤーとゲーム開発者の愛と努力がどこまで持続するかと言う、根本的な人間の問題に帰着すると思います。ただそうやって少数の人々に愛されるような音楽ゲームの終焉を迎えることは、必ずしも悪いことではないように思えます。
そして、我々アーケード音楽ゲームプレイヤーに出来ることは、アーケード音楽ゲームをプレイすること、アーケード音楽ゲームにお金を落とすこと、アーケード音楽ゲームを良くするために適切な批評を続けること、そして願わくば、「作る側」に立つこと、その地道なことを続けていくしかないと思います。
アーケード音楽ゲームがゲーム文化・ゲームセンター文化の一つとして、可能な限り長く続くことを願って、この記事を締めたいと思います。
長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
おーてぃんよりアーケード音楽ゲームに愛をこめて














